伊豆の踊子号殺人事件

国語で学ばなければならない課題の一つに文学史がある。 中学入試から高校、大学、果ては就職試験の一般教養としても出題される。 作者名や作品名、紀行文や軍記物などのジャンル、白樺派や無頼派などの派閥分けまで、かなり細かく問われることもある。

本を読まなくなったと言われるイマドキの学生さんに、これは難敵だ。 ライトノベルやドラマの原作本を読むだけでもマシなのに、いわゆる名作に手を出す生徒はなかなかいない。 見たことも読んだこともない本の名前や作者を覚えるのは、無意味な言葉の羅列を丸暗記するのと同じで苦痛だろう。 そこで、ストーリーをかいつまんで説明したり、作家のエピソードを披露したりすることで興味を持ち、メリハリを付けて覚えてもらうようにしている。

川端康成の伊豆の踊子の話をしていたとき、生徒さんが言うには、

「電車、関係ないの?」

「電車?」

「ほら、踊り子号」

さすが東海道沿線の住民である。 伊豆、踊子とくれば特急踊り子号を思い浮かべるらしい。 駅のホームに立っていると伊豆へ向かう特急踊り子号の通過待ちのアナウンスを聞いたことがある。

生徒さんの脳内でどんなストーリーが展開しているんだろう。 踊り子という単語からドガの絵の踊り子のようにチュチュを着たバレエダンサーをイメージした生徒さんもいた。 ひなびた温泉宿に白いピラピラを着たバレリーナは合わないだろう。

トラベルミステリーか? 特急踊り子号の車内で殺人事件が起こり、川端康成がモデルと言われる一高生が明晰な頭脳で事件を解決する。 西村京太郎か?

ひとしきりツッコミを入れた後、

「川端の伊豆の踊子が有名なんで、伊豆に行く特急に踊り子号って愛称を付けたんだと思うよ」

「なんだ、そうなのか」

とりあえず、川端康成の伊豆の踊子は生徒さんの記憶にふか~く残ったのではないだろうか。

H.K.

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