爪のアカ

以前、教室を出た廊下で年配の男性とすれ違ったことがある。 丁寧に会釈され、こちらも慌てて頭を下げる。(こんな先生いたっけ?)(生徒のおじいちゃん?) などと思っていたら、生徒さんだという。

そういえば私も何人かの社会人を教えたことがあり、その中の何人かは自分より年上の方だった。 勉強のやり直し、大学受験、資格試験、目的や性別、年齢もバラバラだが、そういう生徒さんに共通していえるのは、皆さん真剣に勉強に取り組んでいることだ。 仕事や家庭を持ち、時間を割いて塾に通ってくる。 宿題はもちろん、予習、復習をきっちりやり、思いついた質問はメモして持ってくる。 たとえ年下であっても先生と思ってくれいているので、恐縮する位丁寧な言葉使いで話かけられ、こちらも普段と違う緊張感で授業に臨む。部活やゲーム、ラインやらで、お疲れ気味の学生さんを見ていると、爪のアカを煎じて飲ませてやりたいと思ってしまう。

江戸時代、長い日本の海岸線を歩いて測量し、現代日本地図と遜色のない地図を完成させた伊能忠敬は50歳を過ぎてから学問を始めた。婿に入った商家をもり立て、息子に家業を譲ると江戸に出て、息子ほどの年齢の幕府天門方、高橋至時(よしとき)に一から西洋式測量術を学んだ。 高橋はもしかすると最初の内は、田舎の隠居の道楽と馬鹿にしていたかもしれないが、真摯に学ぼうとする忠孝の姿に打たれ、自分の持てる知識をすべて授け、不可能とも思える壮大な旅に出る忠孝を後押しした。

学びたいという気持ちは年齢とは関係なく情熱がある限り、いつでも起きるものでしょう。本多個人教室は様々な分野の深い知識に通じた先生も多く、あなたの情熱をサポートすることができると思います。

欽ちゃんも大学に通い始めたようです。 何かを始めませんか?

                                                             光山 宏子