小学生のお子さんをお持ちの御父兄方へ

その1

将来私立中学を受験させたいと思っている方、公立中学にそのまま進学させたい方、或いは今通っている私立の中学に内部進学されたい方、このいずれの選択であろうとも小学校4年生までは、お家で、こう過ごしてほしいなという提案をしたいと思います。
特に私立中学受験をされる方は4年生から大手予備校は授業を始めますが、それ程きついカリキュラムは組みません。5年生から本格的な入試対策授業に入り、親子共々その勉強に追い立てられる2年間が始まります。その前の小学校の4年間が、親子で過ごすとても貴重な時間なのです。

国語は、先ず教科書を、お母さん或いはお父さんが一文ずつゆっくり読み、その後にお子さんに読んでもらう。次に今度は一人で全文を通して大きな声を出して読ませる。御両親は「これを書いた人は、あなたにどんなことを伝えたいと思っているのかな?」「この物語を読んであなたは、どんなことを感じた?」等、聞いてあげる。その時、お子さんの話すことが聴き手にきちんと通じるものかどうかが大切なのです。それによって内容を把握しているかどうかが分かるからです。話していることが通じない場合は、内容に沿って言葉を補足して誘導し、お子さんに考える時間を与えてあげ、もう一度話してもらう。要は、お子さんが言いたいことを筋道を立てて話せるように手伝ってあげることなのです。最後に、出てきた漢字は書き順を教えながら書いて覚えるのを手伝ってあげる。

勿論、教科書以外の読み物もお薦めします。小1~小4対象で彼らが興味を示しそうな短い読み物を本屋さんか図書館等で見つけ上記のように一緒に楽しく読んでください。小4までは、物語がよいと思いますが、小5からは、それに加えて例えば朝日小学生新聞等で、日本国内や世界で起こっている様々な事を一緒に読み、それについて話し合う。この時も子供なりに感じ取ったことや意見をお子さんの意見として認め尊重し、「きみは、そう捉えたんだ。お父さん、お母さんは、こう思うのだけど・・・」と、彼等に解り易い言葉で彼らの知らない知識を加えながら説明してあげる。大人の考えを強要するのではなく、別の見方・考え方もあることを示し,さらに会話を進展させ、その記事の内容を一緒に明確にしていく。この様な親子の時間を持つことが出来るのは、反抗期が始まり親離れする前の小学校時代だと思います。そしてそこで得られる知識は日常生活では得られないもっと広い世界に彼等を誘いその世界に興味を抱いた時は、勉強しなさいと言わなくても自分からもっと知りたくなり、本も読むようになるかもしれません。中学受験や中学、高校の学校の授業もその興味を満たしてくれる楽しい授業になり、大学受験にも、社会に出てからも役立つことになるでしょう。

また、小1までの幼稚園児には、夜寝付く前にお子さんが興味を持ちそうなお話を図書館等で見つけて、物語の場面が目に浮かぶように読んであげてほしいと思います。
しかし、この様なことをしたくても、お母さん方は仕事をお持ちの方も多く、まだ面倒のかかる小さい兄弟や年老いた祖父母のお世話、毎日の食事、洗濯、お掃除等に忙しくとても時間的余裕が無いのが実情でしょう。それには父親の協力が必要かもしれません。その忙しい中、少しでも時間が見出せた時に心がけていただけたらと思います。
 ここで当教室に学んだ生徒さんを紹介したいと思います。
O君は、難関校のひとつ聖光学院一本の受験の生徒さんでSAPIXに通っていました。算数、理科は両親が理系出身なので、しっかり家庭で見てやることが出来、社会は特に歴史が得意で(お父さんが地の利を生かした鎌倉の歴史を幼少のときから一緒にお風呂に入りながら、面白く話して聞かせていたので、歴史に興味を持ち始め塾の授業が楽しくてしようがなかった)常にこの3科目の偏差値は60を超えていたが、国語がどうしても58の偏差値を超えられず当塾にきました。読解力は既にあり、速さもあるので、ここでは難解な語彙と朝日小学生新聞の記事を一つ選び字数制限の要訳を主にやり、みごと合格を果たしました。
S君は、お母さんがフルタイムの仕事に就いておりゆっくり子供と過ごす時間が取れない。S君は3年生の頃から様々なことに興味を示し始め、親への質問や、学校でも授業中に手を挙げて自分の考えを聞いてもらいたい欲求が強くなり、これは今が、ものを習い吸収する時期と思い、先生との会話を楽しみながら彼の欲求を満たしてくれる塾を探していてインターネットのホームページを見て来塾されました。4年生の4月から算数の授業が始まり学校の教科書を超えた問題に喜々として取り組んでいました。彼が私立中学受験をするかしないかは本人次第というのが御両親の考えでした。この1年間自分の知らないことを学ぶことの楽しさが募り算数以外の国語、社会、理科も習いたくなり、又他の生徒達の中で自分を試してみたいという思いもあり、集団の受験塾に通ってみることになりました。それが受験という結果になったらそれはそれでいいのかなというのが今の本人と御両親の気持ちです。
今後彼が中学受験をすることになったとしても、彼自らの気持ちからきたもので唯試験合格だけの勉強でなく、その過程で様々なことを知ることの面白さと他人の中にあって頑張ろうという気持ちが芽生えるかもしれません。これは御両親が日頃彼の様子に注意を払い、彼の望んでいることをよく理解し、機を逸せず満たしてあげるという理想的な経緯を辿ってきた結果だと思います。

その2

今回は社会科のお話です。社会も教科書を一緒にゆっくり楽しく読むことが大切です。その時、その内容に合う日常の例を話してあげると、もっと興味を示してくれるかもしれません。覚えさせようと気負ったり、的の外れた質問をいさめたりせず、きちんと聞いてあげ、上手に修正してあげる。その時、出来ればお父さん、お母さんが先に教科書を読んでおいて、その内容に関係する色刷りの写真が沢山載っている本を図書館か本屋さんで見つけておき、地図帳や大きな日本地図(スペースがあれば100cmx70cm位の大きな日本地図をテレビのある居間の壁に貼っておく)、地球儀を使って話を膨らませていけたらもっと会話が楽しくなると思います。例えば、阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして今回の熊本地震など、その震源地と被害の大きかった地区を大きな地図上で「ここで起こったのよ」「あなたは、ここに住んでいるの」と、常に位置関係を示してあげる。「今年の夏に開かれたオリンピックを、リオ五輪って言っているよね。リオって何処だろう。リオはね、ブラジルという国最大の観光都市リオデジャネイロのことなんだよ。そのブラジル、そしてリオってどこにあるのかな?」地球儀をクルクル回して、「私達の住んでいる日本はここ、ブラジルは、ここ、大きいね。日本が22コも入ってしまう大きさなんだよ。熱帯雨林という大きなジャングルもあるんだ。ワニが住んでいる河もあるよ。サッカーの強い国だよね。今から500年位前にポルトガル人(地球儀でポルトガルを探す)が、この海(大西洋)をずーっと渡ってブラジルに行ったんだ。そのポルトガル人が創った国なので、ブラジル人はポルトガル語を話しているんだよ。
100年位前沢山の日本人が狭い日本からこの広いブラジルへ移り住み森や林を切り開いて畑を作り、日本人は農業の神様って呼ばれているんだって。今その子供や孫が日本に沢山働きに来ているよ、、、とブラジルにまつわるお話をしてあげる。子供は、聞いたことをすぐに忘れてしまうでしょう。それでもいいのです。忘れたらまた切っ掛けがあったときに話してあげることで子供の頭の中になんとなく残っていきます。日本と海外の国々の位置関係と距離を知るには地球儀が最適です。その後で、細かいところを見るのには地図帳が役立ちます。こうして楽しく交わした会話が、ある時彼等に興味を呼び起こすことになるかもしれません。何事も興味さえ抱いたら勉強、勉強と言わずとも知りたくなり自ら調べるようになります。
幼稚園、小1~小4の時期は何事にも興味を持ち始める時です。その興味を育てることがどれだけ大事なことか後々になってしか分かりません。
(成澤 寛子)

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